貝類を通して生命現象に迫る:進化・生態・発生

日本生態学会第60回大会(静岡) 自由集会

 

企画趣旨

 貝類(軟体動物)は非常に多様な生態や形態をもつ分類群である. そのため,生態学のみならず進化学や古生物学, 発生生物学など幅広い分野の研究対象として扱われており, それぞれの領域において独自の目的,視点,手法によって研究が進められてきた.ある生命現象をより深く理解するためには, 様々な分野で培われた研究手法やそれらによって得られた知見をあわせて議論し, さらに分野を超えた学際的な研究を行う必要があり,貝類は有用な研究対象のひとつといえる.
本集会では貝類(特に腹足類と二枚貝類)を対象にそれぞれ異なる目的,視点,手法により研究を行なっている若手研究者の講演を通し, 各自がどのような目的意識と仮説検証方法をもって現象の理解に臨んでいるかを紹介する. また,互いに共通する課題と技術を提供しあうことで新たな問題解決の糸口を探るとともに,学際的な研究対象としての貝類の可能性を議論する.

 

スケジュール・要旨

2013年3月5日(火)18:00 – 20:00

講演者

  1. 野下 浩司 (九州大学 システム生命科学府)
    腹足類の殻形態と物理的制約への理論形態学的アプローチ
  2. *芳賀 拓真 (学振PD/海洋研究開発機構), 加瀬 友喜 (国立科学博物館・地学研究部)
    穿孔性二枚貝ニオガイ上科の適応放散史 –分子系統・化石記録から形態・食性進化に迫る 
  3. *木村 一貴, 千葉 聡 (東北大・院・生命), Joris M Koene (Vrije University)
    雌雄同体巻貝における交尾行動の進化と性選択
  4. *清水 啓介, 遠藤 一佳 (東京大・院理・地惑)
    巻貝における貝殻の形態進化 〜Evo-DevoからEco-Evo-Devoへ〜

コメンテーター

  • 千葉 聡 (東北大・院・生命)